思考
5か月の末っ子とそれほど歳が離れていない男の子が、隣でベビーカーに乗ってせんべいをかじりながら私を見つめています。 「気になるの?」と声をかけると、目を背けることなく、恥ずかしがることもなく、私の目を直視する、すさまじいエネルギーを感じます…
夢から目を覚ます。寒い、温かい、暗い、明るい...世界を眺める意識が体にもどるとき、ものすごい現実感(リアリティー)がもたらす漠然とした不安と恐怖。 生きることは、日々の生活の中で、繰り返す喜怒哀楽の積み重ね。生きることへの強い執着や渇望と同時…
みるみるうちに…まわりに広がる雨粒。 静かな草の傍らで騒然とした音を出す金属のフェンスや建具。 雑草だらけの庭の片隅に見え隠れするガボチャの花。 夕方の終わりに降り注ぐ雨と夕焼け。その余韻がもたらす景色。 **** 何かをその前と後とに区別し、始め…
Q) 生の意義は何でしょうか。 生の意義は生きることです。 恐れがあるとき、生全体が模倣、まねすることの訓練をされているとき、私たちは本当に生きているのでしょうか。生は生きるに値するのでしょうか。 権威に付いていくなかに、生きることがあるのでし…
...波が打ち寄せる渚で、砂が消えては現れるその曖昧な境界線で... ズボンを巻き上げて靴を脱ぎ裸足になる。...五本の足の指に...当たっては引いていく感覚。 遠くで響き渡たる波が耳元で弾け...それから全ての音を消し去る感覚。 冷たい、温かい...力強い波…
… 人生をどう生きますか? もし誰かにそう聞かれたら、あなたはどう答えますか? 「いきなり難しい質問だね」「ありのまま、人ぞれぞれ生きればいい」「そんなに深く考えるな」…その問いが放つ空気、自分の中の抵抗…その不快な違和感から…問いをまっすぐ眺め…
小さい窓から聞こえる、どこか懐かしい店員の声。 長い列に我慢できずに海を眺める大きな瞳。 綺麗に手入れされた、古い船に響く軽い足音。 すご〜〜い! 絶えず軌跡を残す、水しぶきのように...透き通った子どもの声が、海風の中に広がる。... 山道を難なく…
ゆっくりと夜を備える月色のコスモス。 その周りに漂う強かでか弱い香り。 ゆっくりと流れる雲の下に 点々と灯された街灯の帰り道。 今日はどんな一日だったのか、明日はどんな一日になるだろう...輝く星空を眺め、そう悩む思考が、頬を伝って流れる土の匂い…
眺める。無邪気な背中を、眩しく輝く大きな瞳を、天真爛漫に弾ける顔を...眺める。卑劣な目つきを、厚かましい仕草を、怒りに満ちた背中を...そういう自分の姿に気づかない虚ろな瞳を、...眺める。今は消え去ってしまった、無邪気で無垢な瞳を、命とともに与…
偶然...眺めた車窓。 家や橋、並木道や信号...その間々を青く彩る空。 ゆっくり遠のく山の天辺に高さを競うように並ぶ朝日。 目を凝らして眺めても…その境界線がどこなのか、決して特定できない眩しさが、 気が遠くなるような…空間を通り抜けて静かにしかし.…
絆、愛情、希望、情熱、未来... ...言葉。 どこかで聞こえてくる言葉。スマホや本で眺める言葉。 自分に絶えず...心地よい感覚や不快感を呼び起こす言葉。 2キロ足らずの小さな脳の中で数え切れない神経束の中で...そうやって跡を残し、消えていく言葉。... …
「さあ、およぐぞ。」くじらは、青い 青い空の なかを、げんき いっぱいすすんで いきました。 うみの ほうへ、むらの ほうへ、まちの ほうへ。 … …何年ぶりだろうね…君のことを思い出すのは… まだ肌寒い土曜日の夕方、薄暗い小さなレストランで、緊張してい…
偶然... 遮るものは何一つ無い昼前の落ち着いた空を、いつもの公園で...偶然...見上げる。 そこには…何度も首を回さないと...その輪郭すら掴めない、パノラマのような景色が... はしゃぎまわる子供、舞い上がる砂埃、通り過がりの人や犬、静かに落ちる枯れ葉…
⚠ もしいつもの思考で読まれますと...退屈と難解という問題が現れますので、くれぐれもお気をつけください。……不思議である。 いつものように…モニターの前に座っていると、目まぐるしい画面のように問題というやつが次々と...その姿を現す。 それはいつも自…