韓国人パパの人生と育児 with 哲学

育児と人生について日常から気づくことを書き残しています。思考の軸は、インドの哲人クリシュナムルティ(J. Krishnamurti)。5年目ブロガー。21年冬Amazonペーパーバック出版。これからもぼちぼち続けていきたいと思います。コメントや批評全てご自由に。

日記

(日記) 蝶と平和

どの花とも異なる色の蝶が、 静まり返った空き地の上を 優雅に飛んでいた。 何の迷いも何の抵抗もなく、 軽々しく花から花へと飛び回り、 時々花には何の興味も無いかのように 仲間と戯れ合っているその姿に 見入っていると… あの蝶の名前は? 次はどこに? …

(予選通過) 写真コンテストに応募しました。

#写真について説明して下さい。 恒例や安心という言葉が、異例や不安に変わっていく日常の中で迎える入学式。 初めての小学生という人生の一大イベントに、子も親も…不安と同時に希望や期待に胸を膨らませるのではないでしょうか。 しかし、すっかり「コロナ…

(日記) 抵抗とエネルギー

ちゅうりっぷだ! 心配事や時間に追われ、 玄関と車を何度も行き来している 自分の隣で...娘はそう叫んでいた。 少しの無駄も許されない、 少しの余裕や休息も...与えられない、 息が詰まりそうな平日の朝という 世界からかけ離れたところで… 娘は、ただひと…

(日記) 傷と愛

傷。 目の前で動く、あの時計のように、 道端に咲いた、あの一輪の花のように、 実際に存在する、一つの事実のように、 人の意識の中で、 日々の日常の中で、 傷は...人生の一部分として 常に自分の居場所を持っていた。 「昨日の些細な傷」 「何十年前の深…

(日記) 反動と自由

葉っぱの上で溶けていく雪。 どこかへ向かう静かな猫の足跡。 瓦の下で聞こえる鳥の鳴き声。 空き地の上で踊る鳶の黒い影。 「二月の雪」 人は常に言葉を通して、 その言葉が呼び起こす イメージと感情を通して、 目の前の何かを眺める。 その時、 朝日で光…

(日記) 慣れと沈黙

雲の隙間から漏れ出る日差し。 青い葉っぱの上で輝く朝露。 今にも消えてしまいそうな透明な月。 穏やかで激しいその空き地には、 夜明け前の静けさが… 人が決して作り出すことのできない 沈黙が充満していた。 しかしそれは… 輝く朝露や透明な月への感傷で…

(日記) 集中と大人

集中しなさい! 親から先生に、 先生から教授に、 教授から上司に...。 時間と共に、 自分の年齢と共に、 その語り手は変わっても... 彼らはいつも 何かに集中することを それで何かを達成することを 高声で言っていた。 そして気づくと...自分も 彼らと同じ…

(日記) 沈黙と瞑想

山の影に沈む太陽が 足元に垂らす長い影。 遠くから聞こえる子供の笑い声。 冷たく固まった冬の田んぼの上を 自由に飛び交う鳥たち。 雑草畑の中であらゆる気配を 眺める野良猫。 都心の喧騒や慌ただしい日常から離れた 小川のような、ゆったりとした田舎の…

(回想)死と関係

「ああ、おまえのことを忘れるなんて!」 「ごめんね.... ごめんね... 」 微かなアルコール匂いがする、 味気ないカーテンの前で、 祖父は、私の手を強く優しく 握りながら... そう言った。 末期膵臓癌。 座っているだけで精一杯の やつれた体と細い指...。 …

(日記) 秋風とせせらぎ

キラキラ輝く池と岩。 その中で静かに流れる せせらぎと子どもの笑い声。 黄緑の雑草広場の角には、 細長い漆黒のベンチが、 決して訪れた人を邪魔することなく 静かに置かれていた。 「よ〜い ドン!」 端っこから端っこまで。 何度も走り回る息子の背中は…

(日記) 理解とコスモス

あまり見上げることのない、 平日昼下がりの空。 薄い水色の空を背景に白い綿雲が、 日が沈む西側まで… 視野が届く地平線の先まで広がっていた。 そしていつもの帰り道に、 空と雲と同じ色をしたコスモスが 一人で咲いていた。 風に揺られるその仕草は、 ま…

(日記) 昨日と思考

7:56 始発の電車と 色褪せた古いシート。 腕時計を睨む車掌と スマホを睨む車窓の人。 四角いマイクから響く 丸く引き締まった声。 その声に合わせて蠢く 膨らんだお腹と 緩んだベルト。 そしてこの全てを見下ろす キジバトの短い鳴き声。 昨日と違う今日が…

(日記) 彼女と幸せ

屋上の見えない建物と建物との間。 小さいベンチに腰を下ろすとどこか懐かしい、清々しいそよ風が、頬に当たって遠くへと消えていく。そして温かい日差しが本の上で、その影を落としながら踊っていた。 その昼、あの激しかった夏が…あのそよ風のように…どこ…

(日記) 台風と涙

台風の前日。 車のワイパーが視界を変える度に死角から車と人々が現れた。 その日、大型モールの駐車場は、雨と車でいつもよりもごった返していた。 光る「満車」や使い古しのフェンス、そして慣れた動作で車を誘導する人。 嘆息と諦めを感じる間もなく、ま…

(日記) 障害と気づき

信号待ちの横断歩道。 … 彼は助手席で笑っていた。 しかし彼の外見から思考が「障害」と言うやいなや 「大変」「苦労」「苦しみ」「障害をもって生きること」…。 常識という偏見と結論、知識と経験を呼び起こすやいなや 思考は瞬時に無数の言葉とイメージを…

(日記) 散歩と瞑想

重い玄関のドアを開けると、思わず手を上げたくなるような日差しが、セミの鳴き声とともに激しく地面に注いでいた。その向こう側には、丁寧に描かれた漫画の1コマのような積乱雲が、不自然に電柱に掛っていた。 娘のおねだりで重い腰を上げて出てきた外は、…

(日記) 不在と父親

201820192020…。いつからだろう。正確には覚えていないけれど、年末のカウントダウンで感傷に浸ることも、除夜の鐘で目標や意志を改めることも、全て無くなっていた。それは今年からいきなりというより「… 振り返ると、そうなっていた」に近い感覚だった。自…

(日記) 育児と健康

「娘の咳と肌を治してあげたい」振り返ってみると、全てはそこから始まった。慢性の咳と肌の炎症に苦しむ娘。肌は常に乾燥していて、生まれた時から刺激に弱く薬を塗らない日が珍しいぐらいだった。その原因を探って3年。長年の通院と1ヶ月弱の入院生活を経…

(日記) 自由

「大変、ご迷惑をおかけしました...。」 沈黙の電車の中で流れるアナウンス…。 その独特の軽さとリズムは「週明けの朝」という日常となり、その本来の意味を失っていた。 そして、その違和感に気づくことも、異議を唱えることもない「日常」が、見慣れた景色…

(日記) 責任

「私が伝えたいことは、私たちはあなた方を見ているということです。そもそも、すべてが間違っているのです。私はここにいるべきではありません。私は海の反対側で、学校に通っているべきなのです。 あなた方は、私たち若者に希望を見いだそうと集まっていま…

(日記) 雑草と美

... 道端に咲いた花。 その名もない花に興味を持つ人はどれぐらいいるだろう。 その花の前に、自分の足を止め、意識を向かわせ、自分ができる全ての注意を払って観察する人はどれぐらいいるだろう。 この長い人生の中で、 雑草を見つめ、それを注意深く観察…

(日記と回想) 執着

「毎日が綱渡り」 短いけど重い妻の言葉を、 私は同意も非難もせず、ただ見つめていた。 そう。その朝、 二人が仕事と食事の支度に追われ、逃げるように家を出るその日常に、子供たちと自分を保育園と会社に送るその繰り返しである日常に、明らかに疲れを感…

(日記) 子供と自然

「み・つ!」 ...「花の名前?」 「ううん。はなのおしりを、こうやって!すうと、ちょっとあまいの!」 家との家との間にある空き地。 あちらこちらに咲いた紫色の雑草を前に、 小さい手の女の子は言った。 昼前の二月。ちょうど太陽が頭の上を登ろうとして…

(日記) 夕方の雨と「死」

一日の終わり。エレベーターの扉からしみ込んでくる雨の匂い。急いで傘を取り出す、帰りを急ぐ人々は、明らかに朝よりも雨に寛大になっていた。 夕方の電車の中、楽しく小話をする人。目的地を忘れ、ゲームに夢中な人。子供ををあやす抱っこ紐のお父さん。既…

(日記)言葉と「エネルギー」

私たちのほとんどは安定願望から、理想、結果の追求、野心の達成等々からエネルギーを引き出す。たいていの人にとって、それがエネルギーです。 善行を施してまわる人にとって、彼の活動は彼にとてつもないエネルギーを与えますが、いったん失敗すると絶望し…

(日記) 土曜の朝と「愛」

*畑と歩道の境に咲いた雑草と花。 地元の餅つき大会。子ども二人をつれていつもの散歩に出かける。 風邪や寒さ、数え切れない親の心配は気にもせず、遠くの山から降り注ぐ小麦色の光は、眩しさよりも暖かさを感じさせる穏やかで静かな朝そのものだった。 道…

(日記) 平日の朝と「自由」

輝く朝日を一度も見ることなく、 スマホに目を囚われ電車に乗って 会社に運ばれる人たち。 ぎゅうぎゅう詰めの満員電車で、 華やかに笑ってる広告を背景に、 無表情で疲れている人たち。 ゲームをする人、 本を読む人、 LINEを送る人、 大きな鞄を背負った制…