…ごめんね。
…あ。。。
あの時と同じだ…
…
息苦しいレッスン教室。
下手くそなピアノの音。
ため息と笑いの眼差し…
耳元で同じ楽譜を眺め、
苛立ちを抑える大人たち。
…そしてその全てに…
向き合う勇気がなくて…
ただ…自分の不器用な指を、
何度も何度も…睨んでいた、
小学生の自分と…
下手くそなリコーダーに、
ため息と笑顔で眺める僕に
イラついている息子の姿が。
…
何か、楽めることが、
一つでも増えればいいね。
もしかしたら…
最初はそうだったかもね。
つい先走ってしまう気持ちに、
その気持ちと遠く離れた現実に、
その現実への苛立ちと、
周りの目に耐えきれずに…
ため息をつく前までは…
そして…
何十という年を経て僕は…
あの時の大人と同じように…
下手くそな音でリコーダーを
吹いている息子を…
抑えるのに必死な苛立ちを…
眺めているのね。
…
不機嫌な息子の背中。
鏡に映る険しい顔の自分。
そしてまた今度も…
その全てに向き合えずに…
うつ向いたまま黙々と
リコーダーを洗っている、
小学生のままの自分。
…
何か、楽めることが、
一つでも増えればいいね。
…
ごめんね。
本当に…ごめんね。
辛い思いをさせて…
忘れられない傷を残して…
楽しい時間を奪ってしまって…
向き合わずに言い訳ばかりで…
…ごめんね。
小さい手の息子…
そして小さい手の自分。
♬ Sun Shower / LUCA, There is a fox