人生を生きること。
あたふた...小走りで
会社に向かう途中、
道端に咲いた花を
眺める時間...1秒。
妻の話を、
その瞳の色や形を、
じっくり眺める時間...5秒。
食卓の向こうで、
不手際の子どもを叱る
自分のバカバカしさを、
そのため息を眺める時間...5分。
険しい顔つきで、
眩しいモニターを
眺める時間...8時間。
そして...
その全てを眺めている
自分を眺める時間...〇〇
…
生きること。
感情すらも金で買える、
このイカれた世界の中で、
無数の傷と共に生きること。
いたい。
むなしい。
かなしい。
できることなら...
もう二度と味わいたくない、
あの感情から遠く逃げ出す、
人生を生きること。
幸せ。
生きがい。
楽しみ。
輝く何かを掲げるのも、
そこから生まれる感情を
頼りにして生きるのも...
本当は...
いたくて、
むなしくて、
かなしいからなのに...
感情に傷に向き合えないまま、
輝く何かを追いかけてしまう…
人生を生きること。
手堅く、
潔く、
まじめに、
…ゆるく、
なるがままに...
誰かの言葉を眺める、
人生を生きること。
そして...
その全てである、
人生(自分)を生きること。
そう、それは...
今日もベッドで
目を覚ますこと。
好んでも…
好まなくても…
期待し、渇望しても、
否定し、絶望しても…
今日という日が、
また与えられる…
それ以上でも、
それ以下でもない
...ただそれだけのこと。
生きているから生きる...
それだけのこと。
♬ 星めぐりの歌 / LUCA, There is a fox