韓国人パパの人生と育児 with 哲学

育児と人生について日常から気づくことを書き残しています。思考の軸は、インドの哲人クリシュナムルティ(J. Krishnamurti)。5年目ブロガー。21年冬Amazonペーパーバック出版。これからもぼちぼち続けていきたいと思います。コメントや批評全てご自由に。

決して解決できそうになかったあらゆる問題が…今となってはちっぽけでそして美しく、愛おしく見えてくる。

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保育園最後のお迎えのために、久しぶりに昼下がりの電車に乗る。事務所の窓越しとは異なる眩しさが、花束のような鮮やかな赤と緑が、水色の空を背にして放つ存在感。その全てが流れゆく窓際で、互いを見つめ合うカップルの瞳に浮かぶ笑みと期待。

...がたんごとん。

...がたんごとん。

優しい沈黙の後に突然広がる壮大な海に...喜ぶ背中と絡み合う手。ロマンチックな何か、いつもの日常とその反対の何か...そして偶然それらを分かち合う今ここにいる人々の存在感...その全てが赤い電車の中で、果てしなく広がっていく。

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あの二人も…いずれ結婚をし、互いの道を行くのだろう。もしくはどちらも一人で生きていくことを選択するかもしれない。...けれども確かなことは、今この瞬間、生き生きと互いの存在を分かち合いながら生きている、そしてそこから生まれたエネルギーを、あらゆる感情を、心から満喫しているということ。たとえ二人がそれに気づいていないとしても..

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...他愛もない言葉、微かな手の触れ合い、胸と肩に伝わる柔らかい感覚、その全てに敏感に注意を向ける、かけがえのない瞬間を感じること。

そう、それは自分のこと。
喜々として喜ぶ瞬間を幾度なく通り過ぎてきた思い出も、あの二人やまた誰かの過去とそれほど違わないということ。生き生きとしていた瞬間の数だけ、無数の悩みや問題に挫折した... 決して解決できそうになかったあらゆる問題が…今となっては道端に落ちたあの桜の花びらのように...ちっぽけでそして美しく、愛おしく見えてくる。

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河川敷に咲き乱れるあの一本の桜…生きている限り、耐えず今を眺め、感じ取る限り、無数に咲いては落ちるあの花びらのように、悩みや問題、そこから生まれる苦痛(苦悩)もまた...風に流されてしまうのだろう。それは決して「こう生きなきゃ」とつい力んでしまう何かの信念とも、苦しい今から逃げ出すための希望や夢という名の幻影とも...全く異なるもの…そう、それは生きること、生きることで過去ではない今を全うするという、生そのものだと…

がたんがたん

…揺れるバスを登った矢先に...その全てを語るかのように...はち切れそうな頬の赤ん坊が美しくそして愛おしい瞳で、僕をじっと見つめる。

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