子供の写真を撮りながら思うこと。
「保育園、いきたくない!!」
雨の日。ほぼ全裸の息子の叫びで始まるいつもの平日。
淡々と体操服を着せながらこまめに時計をチェック。
妻も1歳の娘と格闘中で息子の叫びに付き合う余裕などありません。
「そうだね。パパも仕事行きたくないな…。」
息子への言葉が、そのまま自分に跳ね返ってくる悲しさ。
…対応と対応とまた対応。
やっと一人になって振り返えてみると
残るのは果てしない疲労感と何枚の写真…。
最初は少しでもいい写真を残したい…
短いこの瞬間を少しでもきれいに残したい…
という思いで始めた写真とアルバム作り。
とにかくいい写真が撮りたい!
大切な瞬間を残したい!という気持ちだけで、
撮り続けた1年と2万枚の写真。
…今見えるのは、鮮やかな子供の表情と日常。
そしてそれをファインダーで覗く寂しい自分の背中。
夜中一通り家事を終わらせて始まる写真選びとアルバム作り。
自己満足なのか、家族サービスなのか、時々わからない時がある。
「うまくなったじゃん。結構いい写真も多いし、これ趣味にしたら?」
妻の一言に素直に「うん!」って返事ができない。
…
今この瞬間を少し離れてファインダーで覗くことと、
一緒にその瞬間を感じることの違いは…
僕の予想よりもずっと大きかったようです。
「いつか、この写真がきっと喜ばれる時が来る!」
「苦労して作ったこのアルバムは、きっと人生の宝物になる!」
そういう思いだけではどうしても趣味にはできないようです。
… 2万枚の中で、見てほしかったのは、ファインダー先にいる自分だったかもしれません。