韓国人パパの人生と育児 with 哲学

育児と人生について日常から気づくことを書き残しています。思考の軸は、インドの哲人クリシュナムルティ(J. Krishnamurti)。5年目ブロガー。21年冬Amazonペーパーバック出版。これからもぼちぼち続けていきたいと思います。コメントや批評全てご自由に。

(日記) 蝶と平和

 

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どの花とも異なる色の蝶が、

静まり返った空き地の上を

優雅に飛んでいた。

 

何の迷いも何の抵抗もなく、

軽々しく花から花へと飛び回り、

時々花には何の興味も無いかのように

仲間と戯れ合っているその姿に

見入っていると…

 

あの蝶の名前は?

次はどこに?

 

静まり返ることのない思考が

今日も頭の中で飛び回り始める。

 

そうやって思考に囚われたまま

蝶を追いかけても、蝶は常に…

決して見たことのない弧を描きながら、

狭い自分の視界(思考)から消えていった。

***

 

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いつもそこにあるという思い込み、

いつでもそれに触れることができる

という安心感とその積み重ねである惰性。

 

当たり前すぎて…つい通り過ぎてしまう

のどかな日常の美しさと平和を...

今日も僕は、ありのまま見ることなく

狭い自分の思考を通して眺めていた。

 

そうやって自分が、

目の前の対象を自分の知識や経験から...

そこから浮かび上がった狭い思考から...

眺め、評価していることに気づくとき。

 

まさにその気づきと知覚が…

あの蝶のように...ここからあそこへと

次々と飛び回る思考を静まり返らせる。

***

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一度も見たことのない雲と空。

茂った草の間を行き交うあらゆる昆虫。

息もせず静かに何かを待っている蜘蛛。

風になびく葉っぱと花々の波しぶき。

 

気づいていなければならない。

沈黙しなければならない。

これこそ観察で、瞑想である。

 

誰かの権威や言葉から眺めることなく、

そう自分に言い聞かせることなく、

それで、その沈黙をもって静かに...

その全てにただ...とどまる時。

 

雲も、昆虫も、雑草も、花も、

それら全てに触れるあの風も...

決してバラバラではなく、互いが

互いを支え合っている一つであることを...

 

人は、誰かの言葉や知識からではなく、

自分の感覚で感じ取り、気づき、

そしてそこにある、美しさと平和を見つける。

***

 

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平和とは何だろう?

 

それは...眉間にシワを寄せて、

声高に掲げる気高い理想だろうか。

 

自国や自分の平和のために、

誰かの平和を犠牲にする、それで...

その手段としてのあらゆる暴力を

正当化する、何かの目標や信念だろうか。

 

また、立派なスーツで授賞式に参加し、

無意味な演出に喜び、それを褒め称えたり

自慢したりする、その何かだろうか。

...

 

それとも、平和は...

思考では見つけられない、感じ取れない、

それで...決して言葉にはできない何かだろうか。

 

果てしなく捨てられるゴミや自然破壊。

食べられるために生まれる命。

便利さと安さに失われる健康。

原発・新しい発電や電波による危険性...。

 

そのとき、自分の小さな信念や価値観から

何かを眺め、その反動や反応から憤りを

覚えたり、受け入れたり、諦めたりする、

その中に、平和はあるだろうか。

 

自分が信じたい何か...

決して否定されたくない大事な何か

守るために...人は今日も平和や未来を掲げ、

誰かを説得したり、納得させることに

夢中になっていないだろうか。

 

果たしてその中に、平和はあるだろうか...。

***

 

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空き地に響き渡るセミの鳴き声。

鳥のダイナミックな羽ばたき。

湿った庭の片隅でくつろいでいる蛙の背中。

そしてその全てを眺める、しなやかな

ユーカリの葉っぱ。

 

灰色の雲に姿を消した蝶の代わりに...

白いたんぽぽのわたげが...

静まり返った空き地の上を、

優雅に舞上がっていた。

 

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