韓国人パパの人生と育児 with 哲学

育児と人生について日常から気づくことを書き残しています。思考の軸は、インドの哲人クリシュナムルティ(J. Krishnamurti)。5年目ブロガー。21年冬Amazonペーパーバック出版。これからもぼちぼち続けていきたいと思います。コメントや批評全てご自由に。

(日記) 沈黙と瞑想

山の影に沈む太陽が 足元に垂らす長い影。 遠くから聞こえる子供の笑い声。 冷たく固まった冬の田んぼの上を 自由に飛び交う鳥たち。 雑草畑の中であらゆる気配を 眺める野良猫。 都心の喧騒や慌ただしい日常から離れた 小川のような、ゆったりとした田舎の…

【抜粋】幸せは何なのでしょうか。

質問者 幸せは何なのでしょうか。 私はいつもそれを見つけようとしてきましたが、なぜかそれは私の道には来ないのです。 私は人々が多くのさまざまなやり方で楽しんでいるのを見ますが、彼らがすることの多くはとても未熟で子どもっぽく見えるのです。 私は…

(回想)死と関係

「ああ、おまえのことを忘れるなんて!」 「ごめんね.... ごめんね... 」 微かなアルコール匂いがする、 味気ないカーテンの前で、 祖父は、私の手を強く優しく 握りながら... そう言った。 末期膵臓癌。 座っているだけで精一杯の やつれた体と細い指...。 …

逃避と問い

逃避。 10代は学校や親から 20代は就職や未来から 30代は家庭や仕事から 40代はあらゆる役割から 50代は決まりきった日常から 60代は.... 多くの人にとって「人生」とは、 何かからの逃避ではないでしょうか。 そして... その形は違っていても、 逃避がある…

【抜粋】傾聴

あなたはどのようにして耳を傾けていますか? 思い込みを持ちながらですか? 思い込みや野心、願望や恐怖、それに心配ごとを介して、耳を傾けているのですか?... 自分が耳にしたいこと、満足のいくこと、喜ばしいこと、耳に心地いいこと、差し当たり苦悩を…

(日記) 秋風とせせらぎ

キラキラ輝く池と岩。 その中で静かに流れる せせらぎと子どもの笑い声。 黄緑の雑草広場の角には、 細長い漆黒のベンチが、 決して訪れた人を邪魔することなく 静かに置かれていた。 「よ〜い ドン!」 端っこから端っこまで。 何度も走り回る息子の背中は…

(日記) 理解とコスモス

あまり見上げることのない、 平日昼下がりの空。 薄い水色の空を背景に白い綿雲が、 日が沈む西側まで… 視野が届く地平線の先まで広がっていた。 そしていつもの帰り道に、 空と雲と同じ色をしたコスモスが 一人で咲いていた。 風に揺られるその仕草は、 ま…

目的と関係

いかなる目的も いかなる動機も持たずに、 誰かに接したことが、ありますか? 自分の利益と繋ぐため、 自分の話を聞いてもらうため、 自分のイメージを作り上げるため... そういった、あらゆる目的や動機を持たずに、 誰かの話に自分の全エネルギーで耳を傾…

命とヴィーガン

道端に咲いた花。きれいに植えられた並木。小さい鉢の中のサボテン…。植物は、そこがどこであれ、その居場所にこだわることなく、常に自分に与えられた環境をありのまま受け入れ、そして自分ができる全てのエネルギーを持って、生きていた。また、あらゆる動…

比較と価値

今どきの服を身にまとった若い彼女は言った。 「…本当は、今、自分が住んでいるここがあまり好きじゃないんだ」 「でも、東京や違う場所を旅して帰ってくると…やっぱり、ここがいいなと改めて感じるんだ」と。 彼女のまわりには、同じ服を着た友人が何人かい…

(日記) 昨日と思考

7:56 始発の電車と 色褪せた古いシート。 腕時計を睨む車掌と スマホを睨む車窓の人。 四角いマイクから響く 丸く引き締まった声。 その声に合わせて蠢く 膨らんだお腹と 緩んだベルト。 そしてこの全てを見下ろす キジバトの短い鳴き声。 昨日と違う今日が…

(日記) 彼女と幸せ

屋上の見えない建物と建物との間。 小さいベンチに腰を下ろすとどこか懐かしい、清々しいそよ風が、頬に当たって遠くへと消えていく。そして温かい日差しが本の上で、その影を落としながら踊っていた。 その昼、あの激しかった夏が…あのそよ風のように…どこ…

(日記) 台風と涙

台風の前日。 車のワイパーが視界を変える度に死角から車と人々が現れた。 その日、大型モールの駐車場は、雨と車でいつもよりもごった返していた。 光る「満車」や使い古しのフェンス、そして慣れた動作で車を誘導する人。 嘆息と諦めを感じる間もなく、ま…

(日記) 障害と気づき

信号待ちの横断歩道。 … 彼は助手席で笑っていた。 しかし彼の外見から思考が「障害」と言うやいなや 「大変」「苦労」「苦しみ」「障害をもって生きること」…。 常識という偏見と結論、知識と経験を呼び起こすやいなや 思考は瞬時に無数の言葉とイメージを…

(日記) 散歩と瞑想

重い玄関のドアを開けると、思わず手を上げたくなるような日差しが、セミの鳴き声とともに激しく地面に注いでいた。その向こう側には、丁寧に描かれた漫画の1コマのような積乱雲が、不自然に電柱に掛っていた。 娘のおねだりで重い腰を上げて出てきた外は、…

生きるために生きる。

真夏の昼下がり。 窓を開けると、日差しより少しさわやかな風が頬を伝って向こうに流れていく。 目の前には、高い雑草がしなやかになびいていて、その上を紫色のトンボが風に逆らい、まるで止まっているかのように、飛んでいた。 柿の木の下には、蝉が動きも…

(日記) 幸せと足跡

気持ち良い風が吹く朝。久しぶりの陽光を喜ぶかのように、アゲハチョウが畑の上を優雅に飛んでいた。そしてその羽ばたきに合わせるかのように、雑草が風に揺られてなびいていた。 「あ!アゲハチョウだ!」 私の声に、飛び出してきた息子が大きな窓の前でア…

【抜粋】新しい心で人生と出会う

私たちの多くが熱心に受け入れ、当然と思っていることの一つが、信念の問題であるように思われます。何も信念をこぎおろそうとしているわけではありません。 私たちがしようとしているのは、なぜ自分たちが信念を受け入れるのか、その理由を掘り出すことです…

雨と沈黙 : 恐怖なしに生きる。

*七月の空と海風。 「雨の予感」を説明するのは難しい。 それは、風の向きや激しい雲の流れだけでなく、そこに、いつもと違う独特の空気、そして沈黙があるからである。もちろん空気も必ず湿っているわけでも、カラッとしているわけでもない。それは決して数…

(日記) 不在と父親

201820192020…。いつからだろう。正確には覚えていないけれど、年末のカウントダウンで感傷に浸ることも、除夜の鐘で目標や意志を改めることも、全て無くなっていた。それは今年からいきなりというより「… 振り返ると、そうなっていた」に近い感覚だった。自…

暴力と平和

Malcolm X / CBC Radio · Posted: Feb 21, 2020 6:41 PM ET https://www.cbc.ca/radio 独立する方法は1つ他人に頼るべからず自分の手でつかめ誰も独立をくれない誰も自由をくれない平等も正義も他人からは得られない人間ならば自分でつかめできぬなら得る資…

(日記) 育児と健康

「娘の咳と肌を治してあげたい」振り返ってみると、全てはそこから始まった。慢性の咳と肌の炎症に苦しむ娘。肌は常に乾燥していて、生まれた時から刺激に弱く薬を塗らない日が珍しいぐらいだった。その原因を探って3年。長年の通院と1ヶ月弱の入院生活を経…

健康って幸せ?

「青嵐」 あおあらし。夏嵐、風青しとも言い、5~7月ごろ青葉を揺り動かして吹く南風。 5月の公園に足を踏み入れると、まさにあの青嵐が気持ちよく吹いてきた。熱いプラスチックベンチに腰をかけ、いつもの音楽を聴きながら400円のお弁当を食べていると、目…

思考と願望

久しぶりの外出。 閑散とした電車の中で、虚ろな目をした少女が私の前に立っていた。 数日は洗っていないような髪。ぼろぼろのスニーカーとトレンドとは程遠い小汚いジャージー。 何か不安そうにスマホを触る彼女は、明らかにまわりの視線を意識していた。 …

(日記) 自由

「大変、ご迷惑をおかけしました...。」 沈黙の電車の中で流れるアナウンス…。 その独特の軽さとリズムは「週明けの朝」という日常となり、その本来の意味を失っていた。 そして、その違和感に気づくことも、異議を唱えることもない「日常」が、見慣れた景色…

(日記) 責任

「私が伝えたいことは、私たちはあなた方を見ているということです。そもそも、すべてが間違っているのです。私はここにいるべきではありません。私は海の反対側で、学校に通っているべきなのです。 あなた方は、私たち若者に希望を見いだそうと集まっていま…

「本当の自分とは…」あるJKとの会話。

JK R:「本当の自分とは何か」…。 ある日の午後、JKの呟き(Twitter)にリプライを送った。 lcpam2: どうして「本当の自分」が必要でしょうか。 どうして人はこうも…「自分とは何か」にとらわれているでしょうか。 時々「問いそのもの」が、そしてその問いへ…

(日記) 雑草と美

... 道端に咲いた花。 その名もない花に興味を持つ人はどれぐらいいるだろう。 その花の前に、自分の足を止め、意識を向かわせ、自分ができる全ての注意を払って観察する人はどれぐらいいるだろう。 この長い人生の中で、 雑草を見つめ、それを注意深く観察…

(日記と回想) 執着

「毎日が綱渡り」 短いけど重い妻の言葉を、 私は同意も非難もせず、ただ見つめていた。 そう。その朝、 二人が仕事と食事の支度に追われ、逃げるように家を出るその日常に、子供たちと自分を保育園と会社に送るその繰り返しである日常に、明らかに疲れを感…

(日記) 子供と自然

「み・つ!」 ...「花の名前?」 「ううん。はなのおしりを、こうやって!すうと、ちょっとあまいの!」 家との家との間にある空き地。 あちらこちらに咲いた紫色の雑草を前に、 小さい手の女の子は言った。 昼前の二月。ちょうど太陽が頭の上を登ろうとして…